
日本有機農業協同組合(以下:JOAC)は、株式会社とは根本的に異なる「協同組合」という組織形態をとることで、有機農業の持続的な発展を目指しています。
1.協同組合とは?相互扶助の精神
日本有機農業協同組合(JOAC:Japan Organic Agricultural Cooperative)は、共通の目的を持つ人々が、お互いに助け合い、協力し合う「相互扶助」の精神に基づいて設立された組織です。
株式会社が「出資者(株主)の利益最大化」を目的とするのに対し、協同組合は「組合員自身の事業や生活の向上」を目的としています。
組合員が出資して共同で事業を運営し、その事業を通じて得られた成果や利益を組合員全体に還元することで、一人では解決できない課題を力を合わせて解決する仕組みです。
この原則に基づき、JOACは有機農業の生産者、加工業者、消費者が連携し、持続可能な有機農業の実現を目指します。

2. 協同組合と株式会社の決定的な違い
協同組合と株式会社の最も大きな違いは、組織の運営方法と意思決定の原則にあります。
| 比較項目 | 協同組合(例:JOAC) | 株式会社 |
| 運営の原則 | 組合員一人一票(議決権)。出資額の多寡に関わらず、組合員は平等な発言権を持つ。 | 一株一票(議決権)。出資額(株式保有数)が多いほど発言力が強くなる。 |
| 組織の主役 | 組合員(利用者)。組合の事業を利用し、課題を持つ人々が主役。 | 株主(出資者)。資金を提供する人々が主役。 |
| 事業目的 | 相互扶助。組合員の事業・生活の改善と社会貢献。 | 営利追求。株主への配当を目的とする。 |
協同組合であるJOACでは、すべての組合員が平等な立場で運営に参加し、有機農業の現場の声や消費者のニーズが直接、組織の意思決定に反映される仕組みとなっています。

3. JOAC独自の仕組み:生消伴走と3段階支援
JOACは、協同組合の原則を基盤としつつ、有機農業特有の課題を解決するために独自の仕組みを構築しています。
幅広い組合員と「生消伴走」
JOACでは、生産者・加工業者・消費者を広く「組合員」として受け入れることが示されています。
これは、生産から流通、消費に至るまで全ての関係者が手を取り合い、互いの課題を共有し、支え合う「生消伴走(生産者と消費者の協働)」を重視しているためです。
生産者の課題解決に特化した「3段階支援」
- 教育支援: BLOF理論などの科学的根拠に基づいた高度な栽培技術指導を提供します。
- 就農支援: 新規就農者へ集中的な技術指導と資金サポートを行い、担い手を育成します。
- 販売支援: 組合員からの農産物を一括販売し、安定的な販路を確保します。
持続可能な農業の確立
共同での資材調達によるコスト削減と一括販売による適正価格の実現を通じて、有機農業を「儲かる農業」として確立します。
これにより、生産者は営業活動から解放され、生産に専念できる環境が整備され、日本の農業が抱える課題(高齢化、遊休農地など)の解決にも貢献します。
JOACは、この協同組合の力と独自の支援体制により、環境に優しく、持続可能な有機農業の発展を牽引することを目指しています。

日本有機農業協同組合へのお問い合わせについて
日本有機農業協同組合(JOAC)へのお問い合わせは、以下の電話・E-mailまたはお問い合わせフォームからご連絡ください。
- TEL:0265-98-7862
- FAX:0265-98-7863
- E-mail:info@joac.or.jp
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